「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル.45

f:id:syukugami:20200301184711j:plain

スーパードクター清水先生の患者になって、もう三年になります。

「精神的な安定を確認する為に、月に一回、緩和ケアに通院するついでに清水先生の外来を受診してカウンセリングを受ける」

ということを三年間続けてきました。

清水先生のおかげで、私は精神的には右肩上がりに回復して、安定した状態にいます。

その一方、私の体調は残念ながら、「右肩上がりに回復する」ということはありませんでした。

いや、そもそも、「病気になる前の状態になる」ということ自体、望めないことなのかも知れない。

最近では、そう思うようになりました。

そもそもが不治の病であり、病巣は身体の中にまだあります。

なにより、痛みが止まりません。

もしかしたら「病気になる前の身体を取り戻す」という目標は、間違った目標なのかも知れない。

最近では、そう思うようになりました。

そう思うようになったからといっても、私は別に不幸だと感じてはいないのです。

私の目標は、「生き切ること」であり、病気になる前の身体を取り戻すことではありません。

そのことに気づくことができたのも、清水先生との対話の成果だと思います。

とはいえ、全てのことにプラスがあればマイナスもあります。

私は、清水先生に依存している自分に疑問を持ちます。

私は前進しているのか?

我ながら私はめんどくさい奴なのだと思います。