「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

5%の5年間 ドラマでは語られることのない話4

親友の能楽師、金井雄資師はいいました。 「有限なものをつなげることで無限になる。 有限だからこそ、無限つなげていくことができるのではないか?」 能楽師の彼は店の爪楊枝を並べて、そう説明してくれたんです。 確かに何本もつなげていける。 それこそ、…

5%の5年間.ドラマでは語られることのない話 3

「進行性肺がん、5年生存率5%」という診断を受けて、 死を意識せずにはいられない日々を過ごしてきました。 「花は咲いておもしろく、散ってめずらしい」世阿弥 古語では 「おもしろい=趣がある、風流だ。素晴らしい」 「めずらしい=愛すべきだ。賛美す…

5%の5年間.ドラマでは語られることのない話

「つひにゆく 道とはかねて聞きしかど きのふ今日とは思はざりしを」 この歌は「伊勢物語」の最後を飾る歌。 「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」 「散ればこそ いとど桜はめでたけれ うき世になにか久しかるべき」 と、反語表現が多…

5%の5年間.ドラマなどでは語られることはない

進行性肺がん、5年生存率5%の診断を受け、 放射線治療を33回、抗がん剤治療を合計26回受けました。 治療が成功したおかげで、5年を過ぎた今でも生きています。 おまけに、働くことさえできています。 ドラマなどでは、治療に成功し、命をつなぎ留め…

5%の5年間.死を受け容れる 5

5年生存率5%の期間が終了しても、死について意識しない日はありません。 「命に終わりあり 能には果てあるべからず」世阿弥の言葉です。 人の命は、必ず死ぬ。 そのことを、誰もが知識としては知っている。 けれども、知識で知っていることと、理解してい…