「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

コントレイル.58

「日本を取り囲むさまざまな民族でも、 死ねば途方もなく遠い遠い処へ旅立ってしまうと いう思想が、おおよそはいきわたって居る。 独りそういう中に於いてこの島々にのみ、 死んでも死んでも同じ国土を離れず、 しかも故郷の山の高みから、 永く子孫の生業…

コントレイル.57

私は自分自身が「がん宣告」を受けて、精神的に適応できなくなった経験から、 「がん専門の精神科医」ともいえる「精神腫瘍医」の存在を多くの人に伝えたいと思いました。 一般の精神科医ではなく、 がんという病気、その治療と治療によって起こる心身の変化…

コントレイル.56

「人間は、一日一日をよく生きながら、しかも同時に、 つねに死に処する心構えの用意を続けなければならない。 私は、生命をよく生きるという立場から、 死は、生命に対する「別れのとき」と考えるようになった。 立派に最後の別れができるように、平生から…

コントレイル.54

人は死んだらどこに行くのだろう? 病気になった私は、死を受け容れることで苦しみました。 そんな私は、清水先生に出会って、それまでとは異なる世界へと展開することになりました。 清水先生から、「死生学」というキーワードを教えていただいたことで、私…

コントレイル.53

少し先を急ぎ過ぎたようです。 実は「人生でほんとうに大切なこと」で精神腫瘍科を知ったものの、タイミングが悪くなかなか受診の機会に恵まれない方からも、「お能の死生観」に興味あるとのメッセージをいただいたもので、先走りました。 「わからないこと…

コントレイル.52

日本の独特な哲学・美学ともいえるものに「武士道」があります。 ところで、能楽、猿楽がこの武士道を形成する上で欠かせないものであったことは、あまり知られていません。 武士道は、武装農民であった者たちが、武士となるなかで培われた哲学です。 しかし…

コントレイル.51

私だけでなく、がんを告知された者は、死を恐怖します。 医学の進歩で「治る病気」になったとはいえ、がんという病気への恐怖心は簡単には払拭できないでしょう。 人は死の恐怖心と、どう対処すれば良いのか? 他の人は、どう対処したのか? 私は沢山の事例…

コントレイル.50

さて、私が「能の死生観」と書き続けてきたこと。 それは、「生と死は対立するものではなく、一対のもの」 という、日本人が古来から持つ、独特の死生観のことです。 ちなみにここでの「日本人」とは、いわゆる人種のことではなく、この島国で生まれ育った人…

コントレイル.49

みひろさんは、実際に「生と死の境目」まで行きました方です。 そんなみひろさんは、清水先生の患者となり、 「人生でほんとうに大切なこと」を読むことで、 精神腫瘍科の存在がほんとうに大切なことに、気づいたとのことです。 そして、そんなみひろさんは…

コントレイル.48

私と同じく清水先生の外来患者である「みひろさん」は、 「人生でほんとうに大切なこと」を通じて、私と知り合いました。 みひろさんが本のPOPを作って清水先生に見せてくれたことがきっかけで、みひろさんが私にメッセージをくれました。そして同じ日に清水…

コントレイル.47

「清水先生への依存」 などという表現をしてしまいましたが、 考えてみれば、私には 「あなた無しでは生きていけない」 という人が何人もいます。 「あなた無しでは生きていけない」 という思いは 「だからあなたは、いつまでも健やかで幸せでいてください」…

コントレイル.46

依存していても、依存してなくても、実害が無いのならば どちらでも良いのかも知れません。 しかし、仮に清水先生に依存していたとしても、依存することで私が心の平穏を得られるのならば、貸借対照表としては、プラスと言えるのかもか知れません。 そもそも…

コントレイル.45

スーパードクター清水先生の患者になって、もう三年になります。 「精神的な安定を確認する為に、月に一回、緩和ケアに通院するついでに清水先生の外来を受診してカウンセリングを受ける」 ということを三年間続けてきました。 清水先生のおかげで、私は精神…