「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル.58

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「日本を取り囲むさまざまな民族でも、

 死ねば途方もなく遠い遠い処へ旅立ってしまうと

 いう思想が、おおよそはいきわたって居る。

 独りそういう中に於いてこの島々にのみ、

 死んでも死んでも同じ国土を離れず、

 しかも故郷の山の高みから、

 永く子孫の生業を見守り、

 その繁栄と勤勉とを顧念して居るもの

 と、考え出したことは、

 いつの世の文化の所産であるかは知らず、

 限りもなくなつかしいことである」

 民族学柳田国男の「魂の行くへ」という文章に出会った時に、日本人は古来から、死んだ後は、仏教の「極楽や地獄」、他の宗教の「天国」という遠い処ではなく、死んでも死んでも魂は、故郷の山から子孫を見守ると考えていたのだろうと、想像することができました。

私は「信じた」のではなく「知った」のです。

この「情報」を他の人たちと共有したい。

他の人たちも私に共感するかもしれない。

私はそう考えました。