「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

レジリエンス外来.41

清水先生ならば「正解」を知っているはずです。 何故なら、沢山の「死に方」を観ているから。 何故なら、沢山の「死に方」を聴いているから。 しかし 私の問いかけに、清水先生は答えてはくれません。 清水先生は、他の患者の話を話してはくれないのです。 …

レジリエンス外来.40

「人は死んだら、何処に行くのだろう」 「死んだら、この痛みはどうなるのだろう」 私がそんなことを考えるようになったのには、 「医療麻薬」と関係があるのかも知れません。 発現以来、2カ月近く苦しめられた痛み。 私は、医療麻薬のおかげで、その痛みが…

レジリエンス外来.39

私と清水先生との出会いは、稲垣麻由美さんの 「人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの会話」で詳しく再現されています。 当時の私にとっては 「どうすれば死を受け入れることができるのか?」 ということは問題ではありません…

レジリエンス外来.38

レジリエンス外来のワーク2で振り返ってきて、 私はようやく清水研先生との出会いまで立ち帰ることができました。 当時の私は、後に清水先生が表すところの 「騎手」が「馬」を制御できない状況でした。 「頭」で「泣いてはいけない」と思っても、 「身体」…

レジリエンス外来. 37

がん宣告を受けてからのがん治療は、いわゆる標準治療と言われる治療になります。 それ以上の治療を、私は望みません。 エネルギー保存の法則、というものがあります。 私は、その人が持つエネルギーには絶対量が決まっていると思っています。 だから私のエ…

レジリエンス外来.36

文筆家である稲垣麻由美さんは、私の受診時のみならず、清水研先生からさまざまなことを取材しました。 その結果は、「人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話」という著作となるのですが、それはまた別の話。 レジリエンス…

レジリエンス外来.35

「千賀さん、奥さまやお子さんに言えないような泣き事でも、私には伝えてくださいね」 稲垣先生から、そんなメールをいただきました。 だから、稲垣さんの前で泣くことに、あまり抵抗はありませんでした。いや、抵抗感があったとしても、泣くことは止められ…

レジリエンス外来.34

泣いてしまう私を、私はとめることができません。 ただでさえ私の身体は治らない病気を抱えています。 身体だけでなく、心までポンコツになってしまった。 私は私自身に絶望しました。 さらに、私を激しい痛みが襲います。 その痛みを忘れるには、医療麻薬を…

レジリエンス外来.34

泣いてしまう私を、私はとめることができません。 ただでさえ私の身体は治らない病気を抱えています。 身体だけでなく、心までポンコツになってしまった。 私は私自身に絶望しました。 さらに、私を激しい痛みが襲います。 その痛みを忘れるには、医療麻薬を…

レジリエンス外来.33

「戦地で生きる支えとなった115通の恋文」の主役は、「115通の恋文」です。 いえ「115個の物語」です。 稲垣先生はその「115個の物語」の前後や背景を丹念に綴ったのだ。 私は病室の灯りの下で、そんな感想を持ちました。 そして、この本を読むうちに、私に…

読売新聞記事 レジリエンス

2019年(令和元年)8月31日(土曜日)夕刊読売新聞 がん患者「レジリエンス」外来 という山田聡記者の記事が掲載されました。 「大きなショックを受けたがん患者の心のケアとして、自ら立ち直る力「レジリエンス」を引き出す方法が注目を集める、と、国立が…

レジリエンス外来.32

「戦地で生きる支えとなった 115通の恋文」 この本で描かれる「戦地」とは、 夫が戦う文字通りの「戦地」と、妻が一人で娘を育てる「戦地」の、二つの場所を示しています。 その二つの「戦場」を妻が夫に送る「恋文」が結びます。 「この本は「戦争の本」で…