2021-01-01から1年間の記事一覧
親しい人を亡くしたり、死を意識した人が 少し楽になれる「時間」の考え方に出会いました。 以下は、テレビドラマの台詞の一部です。 (視聴した方が書き起こしてくださったものを拝借しました) 親友の急死から1年たった主人公に、謎の男が語ります 「やり…
親友の能楽師、金井雄資師はいいました。 「有限なものをつなげることで無限になる。 有限だからこそ、無限つなげていくことができるのではないか?」 能楽師の彼は店の爪楊枝を並べて、そう説明してくれたんです。 確かに何本もつなげていける。 それこそ、…
「進行性肺がん、5年生存率5%」という診断を受けて、 死を意識せずにはいられない日々を過ごしてきました。 「花は咲いておもしろく、散ってめずらしい」世阿弥 古語では 「おもしろい=趣がある、風流だ。素晴らしい」 「めずらしい=愛すべきだ。賛美す…
「つひにゆく 道とはかねて聞きしかど きのふ今日とは思はざりしを」 この歌は「伊勢物語」の最後を飾る歌。 「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」 「散ればこそ いとど桜はめでたけれ うき世になにか久しかるべき」 と、反語表現が多…
進行性肺がん、5年生存率5%の診断を受け、 放射線治療を33回、抗がん剤治療を合計26回受けました。 治療が成功したおかげで、5年を過ぎた今でも生きています。 おまけに、働くことさえできています。 ドラマなどでは、治療に成功し、命をつなぎ留め…
5年生存率5%の期間が終了しても、死について意識しない日はありません。 「命に終わりあり 能には果てあるべからず」世阿弥の言葉です。 人の命は、必ず死ぬ。 そのことを、誰もが知識としては知っている。 けれども、知識で知っていることと、理解してい…
楽しみにしていた映画「TENET」を、デジタル配信でようやく観ることができました。 クリストファー・ノーラン監督は、「インセプション(字幕版)」でファンになり 「インターステラー(字幕版)「ダンケルク(字幕版)」 などを楽しんできました。 特に夢を扱う「…
「もしも、親友が死んでしまうことを知ったら、どうするか?」 金井さんや大澤さんは、こんな課題に直面したことになります。 同じ年でもある3人は、知命の年を過ぎたこれまでの人生で、 人の死と直面した経験があります。 ちなみに、私も金井さんも両親を…
能楽師でもある金井雄資師とは、大学時代からの40年来の親友。 一方の大澤健次さんとは、2009年に出張先で出会ってからの付き合いです。 青年時代からの友人と知名を過ぎてからできた友人が、 良き友人になるであろうと、この二人を初めて引き合わせたのは…
人は必ず死にます。 そのことを、理(ことわり)として理解しているつもりでも、 現実のこととして受け容れることは、難しいことです。 しかし、5年生存率5%の診断を受けた私には、 死を受け容れる以外の選択肢はありませんでした。 とはいえ、私が死んで…
免疫学者であり能作者でもある多田富雄氏の著作『脳の中の能舞台』(新潮社)の中に、『日本の伝統』という小文があります。 『日本の芸能の中には、『老い』という主題が見事に結晶となっている。 能の『翁』はいうまでもないが、『高砂』や『老松』など祝…
人は必ず死ぬ。 人が死ぬということは、 その人が誰かと共有した時間や感情も消えてなくなる、ということ。 それは、自分の中の時間や感情を失ってしまうということ。 それでも、自分と共有した時間や感情を、憶えてくれる人がいたとしたら。 好きでもない人…
「5年以内でこの世を去るのだから、その覚悟をしなくてはならない」 その頃の私は、『何者』かになれずに死ぬことを、とても無念に思います。 ─しかし、『何者』とは何か? 私はそもそもの疑問を抱きます。 例えば、歴史に名を遺す。 歴史に名が遺るのであ…
「命に終わりあり 能には果てあるべからず」 能聖と称される世阿弥の言葉です。 人の死について、色々と考えることができたのは、 肺がんになって自分の死と直面したおかげです。 死んでゆく者にとって、死になんの意味があるのか。 どんな死にざまをしよう…