「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

5%の5年間.死を受け容れる。3

「もしも、親友が死んでしまうことを知ったら、どうするか?」

 金井さんや大澤さんは、こんな課題に直面したことになります。

 同じ年でもある3人は、知命の年を過ぎたこれまでの人生で、

人の死と直面した経験があります。

 ちなみに、私も金井さんも両親をとうに亡くしています。

 

 当時の私は自分がこの世を去ることばかりに思いがいき、

「自分の大切な人間が居なくなる」

ということに、想いは至りませんでした。

 

人が死んでしまうということは、

同じ時間を共有した人が死んでしまうということは

その時に一緒に感じたものの全てを離せる人が居なくなる

ということ。

それは、悲しくて切ないことだと思わない?

 

ドラマの中のこんな台詞に、「見送る側」の悲しさや切なさを思いました。

 

けれども、私の友人たちは、自分の感情よりも、

私の、私の家族の感情を大切にしようとしてくれたのでした。

 

そして、ノンフィクション作家の稲垣麻由美氏に、

私が生きた証となるメッセージを託す

という企画に、全面的に賛成してくれたのでした。

人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話

人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話