「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

重版出来

「5年生存率5%」

そんな私の周囲の人々は、どんな気持ちで居たのか?いよいよ5年目を迎える頃になった今、そのことを記録することには意味があると思います。

「末期の願い」

当時の私の希望は、いわゆる「末期の願い」として受け止められ、受け容れられたのだと思われます。

私の「末期の願い」は、私の家族や友人に、私を誇りに思って欲しいということでした。

私は残された時間を、「がん専門の精神科医が居ることをがん患者や家族に知らせる」ということに使いたい。そのことで、がん患者や家族に希望を与えたい。

私は、その為の手段として「書籍を出版する」ということを思いつきます。

私は「精神腫瘍医が患者に希望を与える」ということを体験していました。

私には、その体験をさせてくれた清水研先生がいます。

私には、私に能楽を通して日本人特有の死生観を教えてくれた能楽師金井雄資師という親友がいます。

私には、出版プロデューサーであり、ノンフィクション作家の稲垣麻由美さんという友人がいます。

私には、私が途中で死んだとしても、(死ぬことを想定していました)「書籍を出版する」というプロジェクトを完遂できる大澤健二さんという親友までいます。

そんな私ならば「書籍を出版することで、精神腫瘍医の存在をがん患者や家族に伝わる」ということができそうです。

できることなのに、やらない。 そのことで、もしも不幸になる人が生まれてしまったら、それは自分のせいだと思う。

私はそんな風に考える人間です。

そして、そんな私の「末期の願い」を、清水研先生も、金井雄資師も、稲垣麻由美さんも、大澤健二さんも受け容れてくれました。

もちろん、妻や家族も私の願いを受け容れてくれました。

さらには沢山の友人や知人たちが、私の「末期の願い」を受け容れてくれました。

誰かに希望を与えることに、残された時間使うことで、私が誰かの役に立ったという成果を残したい。

私のことを、誇りにして欲しい。

みんなが、そんな私の願いを汲み取ってのことだと思います。

そんな沢山の人々の想いが形になった書籍「人生でほんとうに大切なこと」が、出版されて2年経って重版されました。

「もしも一年後、この世にいないとしたら」で清水研先生に紹介していただいたおかげですが、

そして清水先生が語るように、「人生でほんとうに大切なこと」が無ければ、「もしも一年後、この世にいないとしたら」も、生まれることはありませんでした。

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