コントレイル.40
医師の目的は病気を治すこと。
そう考えてしまうと、
精神腫瘍医の目的は、がん患者やその家族の適応障害などの病気を治療すること
になってしまうでしょう。
稲垣麻由美さんの著書「人生でほんとうに大切なこと」の最後の章は、清水研先生の「私が精神腫瘍医を続ける理由」です。
そこで清水先生が語っていることこそが、私が清水先生との対話を書籍にしたいと思った理由です。
そこで語られていることは、
医師の目的とは、患者の苦痛を鎮めることであり、
さらにいえば、精神腫瘍医の目的は、患者の幸せに気づかせることになるかと思います。
冒頭の言葉を言い直すとしたら、
医師の目的は、患者の苦痛を鎮めることであり、
その手段として、患者に治療を施す。
ということになるでしょうか。
とにかく、精神腫瘍医の存在は、他の医師とは少し異なることが、「人生でほんとうに大切なこと」を読むと感じられます。
精神腫瘍医と、例えば同じく「命」に直面するであろう救命救急医との違いは何でしょうか。
もちろん、ここでいう「違い」とは、どちらが「尊い」というようなことではありません。