「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル.40

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医師の目的は病気を治すこと。

そう考えてしまうと、

精神腫瘍医の目的は、がん患者やその家族の適応障害などの病気を治療すること

になってしまうでしょう。

稲垣麻由美さんの著書「人生でほんとうに大切なこと」の最後の章は、清水研先生の「私が精神腫瘍医を続ける理由」です。

そこで清水先生が語っていることこそが、私が清水先生との対話を書籍にしたいと思った理由です。

そこで語られていることは、

医師の目的とは、患者の苦痛を鎮めることであり、

さらにいえば、精神腫瘍医の目的は、患者の幸せに気づかせることになるかと思います。

冒頭の言葉を言い直すとしたら、

医師の目的は、患者の苦痛を鎮めることであり、

その手段として、患者に治療を施す。

ということになるでしょうか。

とにかく、精神腫瘍医の存在は、他の医師とは少し異なることが、「人生でほんとうに大切なこと」を読むと感じられます。

精神腫瘍医と、例えば同じく「命」に直面するであろう救命救急医との違いは何でしょうか。

もちろん、ここでいう「違い」とは、どちらが「尊い」というようなことではありません。