「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル.41

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稲垣麻由美さんの「人生でほんとうに大切なこと」のコラムに次のような一節があります。

「考えてもみてください。精神腫瘍科の医師というのは、目の前に患者さんから、例えば『つらいです。あと半年の命なんです。もうどうすればいいのかわかりません』という思いを打ち明けられ、それに答え続ける仕事なんです。そう言われて、なんて答えられますか?言葉につまりませんか?」

この問いが「コラム1」に配されているのは、「人生でほんとうに大切なこと」というタイトルの謎を解くためには必要なピースだからです。

ところで「救命救急医は「基本的に敗けイクサ」」という言葉を、救命救急医からうかがったことがあります。

救命救急医と精神腫瘍医

どちらも命に関わるドクターです。

それぞれの命との関わり方が異なるドクター、

と言えるかもしれません。

稲垣麻由美さんは、ご自身で臨床心理学を学ばれたことから、清水研医師の独特な命との関わり方を、精神腫瘍医の普遍的な患者との関わり方に昇華させて描いてくださいました。

精神腫瘍医を紹介する書籍として「人生でほんとうに大切なこと」の著者に稲垣麻由美さんという作家が携わったことは、いえ、稲垣麻由美さんがこの書籍を記してくれた事実が、

精神腫瘍学、精神腫瘍医にとって、極めて幸運なことであったことが、やがて理解される時が来るでしょう。

大袈裟なようですが、

私は患者として清水研という精神腫瘍医と4年間の対話した経験から、そう断言することができます。