「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル.42

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精神腫瘍医の存在を、たくさんの人に知ってもらいたい。

そのためには、清水研という精神腫瘍医をアイコンとして、スーパードクターとしてしまえば良いのでしょうか?

スーパードクター清水研が、死の恐怖に怯える患者の苦悩を快刀乱麻を断つが如く解決する。

清水研先生が「スター」になることで、精神腫瘍医の存在を知ってもらうことができるかもしれません。

実際、清水研先生はスーパードクターの資質を豊かにお持ちです。

さらには、がんという病気を扱うということは、命を扱うわけですから、「可哀想な患者」の物語には事欠きません。

なにより、私を含めた多くの患者が、「清水先生に救われた」と感謝しているのです。

しかし、ノンフィクション作家であるだけでなく、大学時代に臨床心理を学んだ稲垣麻由美さんは、まったく違うアプローチをしました。

清水研先生はスーパードクターとして描かれることはありませんでした。

そのおかげで、「人生でほんとうに大切なこと」は、「精神腫瘍学の入門書」と称されることになっただけでなく、この本から生まれた「もしも一年後、この世にいないとしたら」のスマッシュヒットに繋がったのです。

そして、「もしも一年後、この世にいないとしたら」の広告宣伝のおかげで、「精神腫瘍医」は多くの人が知る存在になりました。

これが私が「精神腫瘍学にとって、稲垣麻由美さんが携わってくれたことは幸運だった」と断言する理由です。

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