「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス外来.65

本が出版されてしばらくしてからのことです。

清水先生から私たち宛に「嬉しい報告メール」が届きました。 

「人生でほんとうに大切なこと」の本を読んだ出版者の方から、「生きることについて考えるような本を出しましょう」というお手紙をいただきました」

というメールです。

メールには、野本有莉さんの美しい文字で書かれたお手紙がPDFで添付されていました。

「朋あり、遠方より来たる また 嬉しからずや」

まさに、志を同じくする、そう、同志が声をあげてくれたことに、私たちのチームは歓喜に沸きました。

「この本は、がんの本ではない」

「この本は、可哀想な人たちの本ではない」

「この本は、未来のために必要な本だ」

私たちが、稲垣麻由美さんに託したことを、

稲垣麻由美さんが、着実に確実に込めた想いを、

私たちが、望むとおりに受け止めてくれた人がいた。

そのことがほんとうに嬉しく思われたからでした。

それから、清水先生と稲垣さんと野本さんの間で、

どのようなやりとりがあったのかは、まったく知りません。

ただ、清水先生から、

「あとがき」に、千賀さんや稲垣さん、「人生でほんとうに大切なこと」を書きたいのだけれども、問題はないですか?」

という問い合わせをいただきました。

もちろん私には、問題ありません。

「千賀さんに共感する多くの人の輪を原動力に」

「がん患者やその家族の心(精神)が、すこしでも、安らかなものになるならば、どれほどの人が救われるだろう。精神腫瘍医の存在を、患者や家族に伝えたい」

その想いの中心に私がいたのは、

私がその「証拠」だったからでした。

「死ぬことばかり考えていた千賀さんが、生きることを考えるようになった一部始終を、私は見ていました」

応援団長の大澤さんは胸が熱くなるような笑顔で、力強く断言します。

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