「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

5%の5年間.12 死んだらどうなるのか?

「命に終わりあり 能には果てあるべからず」

 能聖と称される世阿弥の言葉です。

 

 人の死について、色々と考えることができたのは、

 肺がんになって自分の死と直面したおかげです。

 

 死んでゆく者にとって、死になんの意味があるのか。

 どんな死にざまをしようと、死はそれ自身では虚であり空無にすぎぬ。

 その死を哀惜する生者にとってのみ、死は意味を持つ。

 その時はじめて死者はいわば生き返るのではないか。

                 隆慶一郎著「吉原御免状」より

 

 世阿弥の言葉と、隆慶一郎氏の上気の文章を重ねている時に

 命が消えたらどこへゆくのかという著作を読みました。 

 著者である鈴木哲司氏は、熊野神社禰宜であり、救命救急士でもあります。

 鈴木氏が神道という知っているようで知らない世界と、

 死生観を紹介しているこの著書は、

 人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話

 の著者である稲垣麻由美氏からご紹介いただきました。

 

 死んだらどうなるのか?

 死んだらどこへゆくのか?

 

 命というものが存在するということが前提としての問いかけですが、

 それを様々に考えることが、今の私の生きるさまの一つになっています。 

 

命が消えたらどこへゆくのか