「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス外来.34

泣いてしまう私を、私はとめることができません。

 

ただでさえ私の身体は治らない病気を抱えています。

 

身体だけでなく、心までポンコツになってしまった。

 

私は私自身に絶望しました。

 

さらに、私を激しい痛みが襲います。

その痛みを忘れるには、医療麻薬を使うしかない痛み。

 

私の絶望感は深まるばかりでした。

 

しかし、残された時間を、絶望感の中で費やすわけにはいきません。

 

私には、家族や大切な人たちがいます。

大切な人たちを遺してゆく私は、

せめて、彼らの中には「幸せな私」の記憶を遺したい

と思いました。

 

けれども、私の残された時間は短い。

 

こうして、私は清水先生のレジリエンス外来に救いを求めました。

 

レジリエンス外来は、私の最後の希望でした。

 

私の前には清水先生。

そして、私の背後には稲垣先生。

 

稲垣先生には私の全てを記していただきたくて、

私の受診に同席していただきました。

 

そこでも私は泣いてしまうのです。

稲垣先生の前でも泣いてしまうのです。