レジリエンス外来.36
文筆家である稲垣麻由美さんは、私の受診時のみならず、清水研先生からさまざまなことを取材しました。
その結果は、「人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話」という著作となるのですが、それはまた別の話。
レジリエンス外来のワークで、私はがん宣告されてからの心の変化の軌跡を再現することになります。
がん宣告を受けたものの治療先も決まらずに病院を転々とした2カ月。
5年生存率を5%から20%にする治療を受けた2カ月。
その後、職場に復帰したものの自分の心身の変化に戸惑って過ごした半年近くの日々。
レジリエンス外来のドアにたどり着くまでに、がん宣告を受けてから、1年以上の時間が過ぎていました。
私は死ぬことばかりを、1年以上考えて暮らしていました。
そしてようやく、レジリエンス外来にたどり着いたのでした。