「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス外来.39

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私と清水先生との出会いは、稲垣麻由美さんの

「人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの会話」で詳しく再現されています。

当時の私にとっては

「どうすれば死を受け入れることができるのか?」

ということは問題ではありませんでした。

そんなものは受け入れるしかないからです。

私は「正しい死に方」を知りたいと思っていました。

私は、清水先生が、当時、3000人を超えるがん患者と対話したことを知りました。

そんな清水先生ならば、多くの人々が死ぬまでに何をしたのかを知っているはずです。

何しろ、清水先生は、日本で一番多くの「死に直面した人たち」の話を聞いた人ですからね。

がんは死ぬまでに時間がある病気です。

がん患者には、死と直面する時間があります。

そうです。清水先生は、私みたいな人間に3000人に会った人なのです。

清水先生ならば、「正しい死に方」を教えてもらいたいと思いました。

私は「正しい死に方」で死にたいと思っていました。

それがどんなものか、見当もつきませんでしたが、

どうせ受け入れるしかないのならば、

私は「正しい死に方」で死にたいと思っていました。

私は、家族や友人達から誇れるような死に方をしたかったのです。

しかし、清水先生は、「正しい死に方」を教えてはくれませんでした。

清水先生からは、

「そんなものは、ない」

と、いうことを、気づかされることになります。

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