「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス外来.20

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そういえば、私が最初に精神腫瘍科外来を受診した時、

つまり、初めて清水先生と出会った時のことですが、

その場に隣席していた研修医さんから、次のように言われたことを思い出しました。

「がんは激しく痛む場合があります。あまりの痛さに「死んでしまいたい」と自殺を考える方もいらっしゃいますが、千賀さんはいかがですか?」

私は少し驚きました。

「私は死にたくない、死ぬのが怖くて、ここまで来たのに、何ということをきくのだろうか。死にたいなど、ありえない」

そう思ったからです。

ところがらそんな私が、死ぬことを考えていました。

やはり「痛み」というものは、怖ろしいものです。

しかし、その「痛み」について、

清水先生や稲垣先生に伝えることは、とても難しいことでした。

どう痛い。

どれくらい痛い。

どう伝えたら伝わるのか、

そのことも、私は苦痛に感じました。