レジリエンス外来.20
そういえば、私が最初に精神腫瘍科外来を受診した時、
つまり、初めて清水先生と出会った時のことですが、
その場に隣席していた研修医さんから、次のように言われたことを思い出しました。
「がんは激しく痛む場合があります。あまりの痛さに「死んでしまいたい」と自殺を考える方もいらっしゃいますが、千賀さんはいかがですか?」
私は少し驚きました。
「私は死にたくない、死ぬのが怖くて、ここまで来たのに、何ということをきくのだろうか。死にたいなど、ありえない」
そう思ったからです。
ところがらそんな私が、死ぬことを考えていました。
やはり「痛み」というものは、怖ろしいものです。
しかし、その「痛み」について、
清水先生や稲垣先生に伝えることは、とても難しいことでした。
どう痛い。
どれくらい痛い。
どう伝えたら伝わるのか、
そのことも、私は苦痛に感じました。