「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル.13

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「先生「人生でほんとうに大切なこと」が、重版になりましたよね。これは、「もしも一年後、この世にいないとしたら」のおかげ、あの大宣伝のおかげだと思うんです」

私の言葉に、清水先生は、沈黙で先を促します。

「あの本の「おわりに」で、私と稲垣さんと本の名前を先生が書いてくれました」

「でね。「運が良いのは誰か?」ということを考えたんです」

「だってそうでしょう?普通、絶版になっちゃうでしょう?出版されて2年経った本なんて、フェードアウトしちゃう」

「でも、あの本は、絶版にならなかった。明らかに「運が良い」んです」

「私か?、稲垣さんか?、清水先生か?あるいは「人生でほんとうに大切なこと」か」

私は指を折って数えます。

「で、思ったんです。「これは精神腫瘍学が持つ「運」かも知れない」って」

私はもうひとつ指を折ります。

「つまり「精神腫瘍学が運が良い」ということかな。って」

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