レジリエンス.21
この頃、私は会社への復職を果たしていました。
といっても、産業医の指示で、勤務時間を短縮した「短時間勤務」でした。
さらに会社は、私に「重要であるが、緊急ではない案件」を担当させてくれました。とりあえずの「締め切りがない」案件の検討です。
私は大変恵まれた環境で、復職することができました。
にも関わらず、当時の私は「適応障がい」のような症状を見せていました。
泣くのです。
私は、泣くのです。
しかも、声を抑えきれずに。
私は、主治医の先生からも、産業医の先生からも、
「痛みや、薬の副作用からの体調不良もある。
とにかく、右肩上がりの回復、というわけにもいかない。そのことは理解しておいてください」
と、繰り返し説明していただきました。
私は、それらのことを理解したつもりでした。
けれども、痛みやそれを止める鎮痛剤の副作用は、
私の集中力や思考力を奪います。
できるはずのことが、できません。
できていたことが、できなくなっていました。
私はポンコツになっていました。
私は毎日毎日、会社に行きました。
そして、毎日毎日、自信を失っていっていました。
それらのことを、私は泣きながら、
清水先生と稲垣先生に話していました。
たとえワークのお題から脱線しても、
清水先生は、とりあえず、話を聴いてくださいます。
そして、稲垣先生は、そんな清水先生を見つめていました。