「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル.38

 

「死を覚悟した人間」

といってもさまざまかもしれません。

 

清水先生と出逢った頃の私は、

死から逃れられないことを知って、金縛りのように立ち尽くしている頃でした。

 

「人生でほんとうに大切なこと」 

の第四話に描かれる言葉。

「将棋で人生を語るとしたら、手数は確かに違うかもしれませんが、誰もが詰んでいるのではないでしょうか」

 

実は、これこそが「人生でほんとうに大切なこと」なのかも知れません。

 

私が死んだ後も世界は変わらない。

そのことを悲しむ必要はない。

何故なら、誰もが死ぬことになっているのだから。

 

そのことに早く気づくこと。

自分の「死生観」を早く持つこと。

人生でほんとうに大切なこと、は、

死に様をきちんと決めることです。

死に様とは、そのまま生き様になるのだから。

 

私は、清水先生と出逢って「どんな風に死にたいか」を、決めることができました。

 

だからこそ、どんな風に生きたいかがはっきりとして、そのまま毎日を過ごすことができるようになりました。

 

まさに、死に様は生き様になるのです。