コントレイル.35
もしも、逆の立場であったたなら。
私は自分が与えてもらったように、
誰かに与えることができるだろうか?
大澤さんが私に対して注いでくれた厚情を、
私は大澤さんに注ぐことができるだろうか?
そんなことを考えたこともあります。
もちろん、気持ちは注ぐことはできます。そこは間違いない。けれども実際のところ「役に立てるか、否か」というと、難しい。
大澤さんは、自分の得意分野で私を助けてくれました。
まぁ、私と同じようなことで大澤さんが窮地に立たされることは、想像もできません。
ただ、大澤さんの力になれるのならば、
私はできることを全てやろうとすると思います。
たとえば、残りの時間の全てをかけてでも。
大澤健二という人は、私にとってそんな存在です。