「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス 8

「成長という言葉を嫌う人もいます」

清水先生が話しを続けます。

「もう、前の人生とは違う。元には戻れないのだから、成長ではない、と」

 

なんだか、わかる気がしました。

 

ほとんどの人は「死なないつもり」で生きています。

それが、死と直面してしまう。

 

その事実は、レジリエンスの力ではマイナスからゼロに戻ったとしても、消えることはありません。

 

だから「成長」という、「同じ直線」の上にある世界に生きているような気がしないのです。

 

生死のはざまという「境界線」を越えた、新しい世界を生きているような気がします。