「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス外来17

清水先生のレジリエンス外来では、患者が事前に清水先生から提供されたワークシートへの回答を準備します。

ワークシート1

1.どのような家族のもとに生まれて、どのように育てられましたか?

2.少年少女時代はどのように過ごしましたか?

3.思春期にはどのようなことを考えましたか?

4.成人してからはどのように社会(仕事、家庭、友人など)と向き合ってきましたか?

このような質問が続きます。

そして、5番目の質問。

5.病気になる前は、どのようなことを大事だと考えていましたか?

6.病気になる前は、どのようなことが嫌いでしたか?

7.それら以外で大切なことは何ですか?

これらの質問のひとつひとつに私は回答する形で、

私の過去を遡ってゆきます。

私の前には、精神腫瘍医の清水研先生。

そして、私の背後には文筆家の稲垣先生。

ひとつの質問に対して、語られる物語はひとつ。

そのはずです。

ところが、大人になり、親になった私が思いだすのは、

子どもの頃の自分の気持ちだけでなく、

その私を育てる父母の気持ちまで思いだしたのです。

ですから、ひとつの質問に対して、沢山の物語が始まることになってしまいました。

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