レジリエンス外来17
清水先生のレジリエンス外来では、患者が事前に清水先生から提供されたワークシートへの回答を準備します。
ワークシート1
1.どのような家族のもとに生まれて、どのように育てられましたか?
2.少年少女時代はどのように過ごしましたか?
3.思春期にはどのようなことを考えましたか?
4.成人してからはどのように社会(仕事、家庭、友人など)と向き合ってきましたか?
このような質問が続きます。
そして、5番目の質問。
5.病気になる前は、どのようなことを大事だと考えていましたか?
6.病気になる前は、どのようなことが嫌いでしたか?
7.それら以外で大切なことは何ですか?
これらの質問のひとつひとつに私は回答する形で、
私の過去を遡ってゆきます。
私の前には、精神腫瘍医の清水研先生。
そして、私の背後には文筆家の稲垣先生。
ひとつの質問に対して、語られる物語はひとつ。
そのはずです。
ところが、大人になり、親になった私が思いだすのは、
子どもの頃の自分の気持ちだけでなく、
その私を育てる父母の気持ちまで思いだしたのです。
ですから、ひとつの質問に対して、沢山の物語が始まることになってしまいました。