「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス外来.55

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「でも、それじゃ「白雪姫と七人の小人」じゃないですか?」

いよいよ出版が決まりました。

稲垣先生は編集の清水能子さんに「何度も書き直しを命じられながら」の執筆中です。

応援団は、「販売戦略会議」と称する飲み会です。

「主役は千賀さんでしょ?

落ち込んでいた千賀さんが清水先生の魔法で、お城の舞踏会に出られるようになりましたとさ、という、シンデレラ的ハッピーエンドだったはず」

「それなのに、七人の患者の一人って、おかしいですよ。白雪姫ですらない」

私たちの出版物は、

清水先生と七人の患者との対話を通して、

「命の限り」を知った人たちが、それぞれに、

自分の人生でほんとうに大切なものは何か?

を探してゆく物語。

に、なっていました。

「千賀さんの扱いは、他の人の2倍以上」

そう言われても、ピンときませんでした。

まさに、シンデレラのつもりだったのが、

フタを開けたら白雪姫の七人の小人の一人でした。

まさに「話が違う」のではないか?

「販売戦略会議」は風雲、急を告げようとしました。