コントレイル93
天に意思がある。
としか、この若者の場合、おもえない。
天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を地上にくだし、
その使命がおわったとき惜しげもなく天に召しかえした。
この夜、京の天は雨気が満ち、星がない。
しかし、時代は旋回している。若者はその歴史の扉をその手で押し、
そして未来へおしあげた。
(完)
私がこの一文の出会ったのは大学生の頃でした。
そして、がんの告知を受け
さらに、病状は5年生存率5%の状況であり、治療しても⒛%にしかならない
ということを知った時に、この一文を思い出しました。
私の使命は何なのか?
私にはその使命を果たす時間が残っているのだろうか?
清水先生とのカウンセリングで、
私は何度もその不安を口にしました。