「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル93

新装版 竜馬がゆく (8) (文春文庫)

 

天に意思がある。

としか、この若者の場合、おもえない。

天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を地上にくだし、

その使命がおわったとき惜しげもなく天に召しかえした。

この夜、京の天は雨気が満ち、星がない。

しかし、時代は旋回している。若者はその歴史の扉をその手で押し、

そして未来へおしあげた。  

(完)

 

司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」の結びです。

 

私がこの一文の出会ったのは大学生の頃でした。

そして、がんの告知を受け

さらに、病状は5年生存率5%の状況であり、治療しても⒛%にしかならない

ということを知った時に、この一文を思い出しました。

 

私の使命は何なのか?

私にはその使命を果たす時間が残っているのだろうか?

 

清水先生とのカウンセリングで、

私は何度もその不安を口にしました。