「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル94

新装版 竜馬がゆく 1-8巻 セット

坂本竜馬については、コントレイル86でも登場しました

https://resilience.hatenablog.jp/entry/2020/07/12/173115

竜馬がゆくのなかの竜馬の

「世に生を得るは事を成すためなり」

という言葉は、私だけでなく多くの人の人生の指針ではないかと思います。

 

何かを成す

何者かになる

 

それは、「生きた証」が欲しいということなのでしょう。

 

稲垣麻由美さんの「人生でほんとうに大切なこと」の中でも、

私が清水先生に、「生きた証」について相談する場面が描かれています。

 

「生きた証、生きる希望というものは、誇れる輝かしいものだと思っていたんです。

 例えば山に登るのなら富士山を登らなくっちゃ、って感じです。

 近所の山を登っても、それでは大したことないっていうか…。

 いつも、すごいことをしなくちゃならない、でも自分は何者にもなれていない。

 名をなせていない。そのことがすごく残念でした」

 

しかし、5年生存率5%となった私の考えは変わります。

 

「極端な話でいうと、今朝、目だ覚めた、という、生きていること自体が”希望”という

 感じなんです。蛇口をひねれば水が出る。眠れば次の日に目が覚める。

 そんな当たり前のこをが”希望”だと思えたりします」

清水先生が大きくうなずく。

以上、人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話

より抜粋

人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話