レジリエンス外来.11
清水先生のカウンセリングを受けた時。
「死生観」という言葉を聞いた時。
何より、残りの時間には限りがある。
ということに気づいた時。
私は「夢幻能」を思い出しました。
「生者と死者の邂逅」
そう説明される日本の古典芸術能楽は、
独自の劇構造を持つ総合芸術です。
演劇の主人公は「死者」です。
その主人公は観客の代表でもある相手役に、
「自分の死によって完結した物語」を語ります。
自分が残してきた念を語ります。
「お能は、鎮魂歌なんだ。
鎮魂歌ということは、
つまりは、生命讃歌ということなんだ」
表があるからこそ、裏がある。
光があるからこそ、闇がある。
死が待っているからこそ、生きる命がある。
白か黒かではなく、灰色の世界もある、ということ。
「有限なものだからこそ、
意志を持って繋げていけば、
無限に繋げていくことができる」
私は、この親友にさまざまなことを教わりました。
私は、この親友に支えてもらいました。
私は、この親友に命を救ってもらいました。
私の親友、金井雄資は「能楽師」という職業についています。