「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス外来.31

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私は「レジリエンス外来」のワーク2の問い2

「がんの宣告後の心の動き」を思い出しています。

来週の検査を申し込む→一週間後検査を受ける→一週間後に検査の結果を聞くと駄目。だから来週の検査を申し込む→一週間後の検査を受ける→一週間後に検査の結果を聞くと駄目。

そんな2ヶ月の間、私は酷い咳と左胸の痛みに苦しみました。

だから、入院がした時には、この苦痛が終わるものかと期待していました。

5年というのは60ケ月。2ヶ月を検査に費やしたので、最長でもあと58ケ月しかないのです。 その間を、せめて苦痛から逃れたい、そう思ったからです。

しかし、抗がん剤治療と放射線治療は、私に新たな苦痛を与えます。

痛みと高熱、そして倦怠感。枕から頭が上がりません。

こんな苦痛を受けた報酬は、私の生存率が5%が20%に上がるだけか。

私は無念に思います。

けれども、その一方で、私はがんになったのが自分で良かったと思います。

私は私の大切な人が、こんな苦痛を受けることに耐えられないだろうと思ったからです。

私は、何故、自分が死ぬことを受け容れようとしているのか、その理由がわかったような気がしました。

私は、大切な人を失うことに耐えられない。

大切な人を見送ることに耐えられそうにない。

だから、大切な人より先に逝きたい。

私は自分の死を前提として、世界を眺めてみました。

そして、「115通の恋文」を開きました。

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