「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル.2

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「もしも一年後、この世にいないとしたら」の売上げ?が、28000部を突破したということを、書店のPOPで知りました。

この成功の理由のひとつは、がん専門の精神科医、つまり、精神腫瘍医である清水研先生を、「死についてよく知る人物」とブランディングできたことではないか?

と思います。

「人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話」は、

精神腫瘍医の存在をがん患者や家族たちに知らしめる

ということを目的として作られました。

ですから、清水研先生とがん患者の対話=精神腫瘍医の治療事例集となりました。

実際、複数の臨床心理士から「カウンセリングの教科書」として絶賛されました。

もちろん、

「がんの本ではない」

「可哀想な人たちの本ではない」

「これは人生でほんとうに大切なことに気づいた、幸せな人たちの物語だ」

という本でもあります。

ありますけれども、「精神腫瘍医をご存知ですか?」から始まります。

一方で、「もしも一年後、この世にいないとしたら」は、沢山の「死と直面した人たち」=がん患者と対話した精神科医が、生きることについて具体的に語る本です。

読者は、清水研という人は、国立がん研究センター中央病院で3500人を越えるがん患者を治療してきた精神科医という説明で、

「清水研=死に精通した賢者」

と理解したに違いないと思います。

あの日の私のように。

私たちの日常から、「死ぬこと」は、とても遠いところにあります。

もしも、「死ぬこと」について、何か教わるとしたら、「宗教家」ではなく、「科学者」に教わりたい。

私ならば、そう思います。

清水研という科学者は、時代が必要とする「賢者」である。

28000人が、そう思ったのかもしれません。

あの日の私のように。

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