「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

コントレイル28

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私が望まない「死に方」とは。

まずは「他人に迷惑をかける死に方」です。

ですから、「自殺」という死に方を、私は望みません。

実際には、がん宣告を受けた人は、そうでない人の20倍以上の確率で「自殺」という死に方を選択するといいます。

私は「自殺」が自分が望まない、死に方なので選びません。ですから、「自殺」という死に方を選択した人を貶める気持ちにはなれません。

それこそ、私が処方されている医療麻薬を大量に服用すれば、「自殺」することになるでしょう。

しかし、私は選びません。

それは遺された人たち。

私に「遺された」と思うであろう人たちを、苦しめたくないから、に尽きます。

ああ。「自殺」を選択した人たちも、もちろん同じ気持ちでしょう。ただ、それ以上に「自分の命を今すぐに断つ」という思い込みに駆られてしまったのでしょうか。

わかりません。

わかりませんが、とにかく私は「自殺」を望みません。

私は違う「死に方」を考えました。