「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

5%の5年間.2 死ななかったらどうしよう

人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話

 5年前の心配事のひとつは

「もしも、死ななかったらどうしよう」というものでした。

 

降水確率が95%ならば、雨が降ることを確信します。

雨が降らない確率は5%しかない。

 

数字というのは客観的な判断を行う時には便利なものです。

 

ですから、同様に

5年生存率5%ということは、

5年死亡率95%であると確信しました。

 

5年以内に死ぬ。

滅多に起きないことではないかもしれないけれど、

自分に降りかかってきたのならば是非もない。

むしろ、自分の大切な人でなくてよかった。

 

すでに何人かの大切な人を見送った経験がある私は、そう思っていました。

 

GOALが見えているのならば、時間の使い方の優先順位も明確になります。

あとはGOALを迎える準備をするだけです。

 

しかし、もしも、そのGOALが動いてしまったら。

今振り返れば馬鹿げた話に思えますが

5年前の私は、そのことをとても心配していました。

もしも一年後、この世にいないとしたら。