「人生でほんとうに大切なこと」 精神腫瘍医との対話

「5年生存率5%」のがん患者が、がん専門の精神科医と共に歩んで来た「絶望の淵から希望の星まで」の道程

レジリエンス外来.67

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もちろん、人生に勝ち敗けはありません。

けれども、

「自分の身体は、けしてがんに勝つことは出来ない」

と知った時の敗北感は、

人を俯かせるには充分だと思います。

いや、膝を屈してしまいかねません。

かつての私のように。

幸いなことに、私は国立がん研究センター中央病院の患者なので、精神腫瘍科の清水研先生と出会うことができました。

ほんとうに、幸いなことに。です。

なぜなら、精神腫瘍科のない病院も沢山あります。むしろ、精神腫瘍科がない病院のほうが多いのです。

もしも、私が清水先生と精神腫瘍医と出会うことがなかったならば、私はどうなっていたでしょうか?

もしかしたら、私は、今ごろは、この世に居なかったかも知れません。

人は絶望感だけでも命を失ってしまう。

あの頃の自分の世界を振り返ると、

そんなことを考えてしまいます。

そう思うからこそ、

精神腫瘍医の存在をがん患者やその家族に知らせたい。

私は、そう思うのでしょう。